中古のMeraki MR42をオークションで競り落とす機会があったのでまとめてみました。
各種情報は本記事執筆時点の2020年06月頃の情報を元にしています。
目次
- 目次
- 結論先出
- Merakiに関するおさらい
- ハードウェアの登録が可能であるか
- ライセンスの購入が可能であるか
- サポートへの問い合わせ方法
- ライセンスの購入先
- デバイス登録済み状態の画面
- 盗難品の対処に関するドキュメント上の情報
- 最後に
結論先出
本記事の趣旨から述べると、中古のMerakiの購入にはいくつかの考慮点があり、 それを全てクリアするのが難しいため、トラブルの未然防止のために書き起こしました。
Ciscoの公式サイトに中古市場に関する説明がすでにありますが、本記事では実際に購入した観点を交えて掘り下げてみます。
Q:中古品市場で購入した中古ハードウェアに対して新しいライセンスを購入できますか。
A:インターネット オークションなどの中古品市場で Cisco Meraki ハードウェアを購入する場合は、購入前に Cisco Meraki サポート(https://meraki.cisco.com/support)に連絡し、当該ハードウェアが Cisco Meraki 試用プログラムや正規購入者から盗難品として報告されていないか確認することをお勧めします。Cisco Meraki サポートに連絡する際には、各ハードウェアのシリアル番号を用意してください。Cisco Meraki は、盗難品として報告されたハードウェア ユニットに対してライセンスをサポートまたは販売しません。
Merakiに関するおさらい
クラウド管理型のMerakiは、基本的にハードウェア本体とクラウド管理のためのライセンスの2つ主要な要素で成り立っています。
また、Merakiをクラウドで管理するためには、ハードウェアに印字されているシリアル ナンバーの登録が必要です。また、購入時の契約番号でも登録は可能です。
その点を踏まえた上で中古市場でMerakiのハードウェアのみを購入したパターンを考えてみます。
ハードウェアの登録が可能であるか
クラウド管理の配下に置くためにはシリアル ナンバーの情報が必要であり、
すでに他の組織(Organization)に登録されていない必要があります。
ここで重要になるのがすでに登録済みであるか否かになります。
Merakiのサポートに問い合わせを行えば、登録可否は確認可能ですが、あくまでも問い合わせ時点の状況になります。
そのため、元の所有者が登録解除を行っている状態から再登録すれば、せっかく中古でMerakiを購入しても登録が行えない状況になります。
筆者の場合ですと、一度は Networks まで登録はできましたが、 一度解除したらその間に別の組織(Organization)に登録されてしまったため再登録が出来ない状態になりました。
また、インターネット上のオークションやフリーマーケットでシリアル ナンバーを質問する方法だと、 シリアル ナンバーの情報が公開状態で残るため、悪戯的に登録されてしまう可能性も考えられます。
ライセンスの購入が可能であるか
盗品報告されているMerakiのライセンスは購入できないため、出所が不明なMerakiを購入するとトラブルに発展するリスクが含まれています。
筆者の例だと、新品と謳われていたMeraki MR42を購入しましたが、同梱されていた内容物を見るとNTT東日本が提供する「ギガらくWi-Fi」と見受けられました。あくまでも推察であり、確証はありません。
公式のMeraki MR42には、左上にあるシールの貼り付けはありません。
公式のMeraki MR42には、NTTに関する内容物は含まれていません。
公式のMeraki MR42には、取扱説明書のような設置ガイドは含まれていません。
サポートへの問い合わせ方法
MerakiのDashboardより、サポート ケースをオープンしてライセンス購入可否の問い合わせができるのを確認しています。
ライセンス購入可否の問い合わせとなるため、筆者の問い合わせ時は "Select which devices (if any) relate to this case" より "Licensing issue" を選択しました。
ライセンスの購入先
信頼のおける友人に譲って貰ったようなケースの場合は、 当事者同士でハードウェアのシリアル ナンバーの登録済み問題は確認可能であるためライセンスの購入先の一例も紹介しておきます。
まず、ライセンスはシリーズやモデルに加えてグレードに応じて異なります。
本記事では無線APであるMRシリーズを例にします。 理由としては、無線APは大量展開が行われやすいのに比例して中古市場にも出回りやすい点と、 各シリーズの中でも安価な部類に入る点になり、購入検討対象になりやすいと想定されるためです。
Meraki MRの1年間のライセンスの場合だと、モデル共通で製品名は Meraki MR Enterprise License 1 Year となります。
ちなみに、上位グレードの Meraki MR Advanced License は Cisco Umbrella を統合するためのライセンスになるため、
一般的には Enterprise の方を購入するのが多いと想定されます。
費用感に関しては、日永堂の通販サイトで確認する手段を筆者はよく使います。
オークションやフリーマーケットで購入した場合は、ハードウェア本体の到着までの期間とライセンスの納品までのリードタイムを考慮する必要があり、 その間に再登録されてしまう可能性があるのを留意する必要があります。
デバイス登録済み状態の画面
Per-Device Licensing 方式でのデバイス登録済み状態の画面を参考程度に掲載します。
ハードウェア本体に印字のあるシリアル ナンバーを登録します。契約番号でも登録は可能ですが、中古購入の場合は基本的にシリアル ナンバーとなります。
シリアル ナンバーもしくは契約番号に紐づいているモデルと台数が表示されます。
デバイスを紐づけるNetworksを選択します。後からの紐付けも可能です。
筆者の場合では、すでに他の組織(Organization)で登録済みであったため "The following devices are already in use" のメッセージが表示されました。
盗難品の対処に関するドキュメント上の情報
Merakiのドキュメントに Recovering a Missing or Stolen Device
が追加されていたので、盗難品が横流しされてしまったようなケースでトラブルに発展しないように中古品の取り扱いには十分に気を付けてください。(2022年10月に追記)
最後に
本記事は中古での購入における考慮点をピックアップしているため、より正確な情報は公式のドキュメントをご参照ください。
筆者はすでに人柱になってしまったため、デバイスが登録可能になるまで気長に待ってみます...。