Meraki MXのRouted Modeでは、LAN側に対するStatic Routeの設定で、宛先: 0.0.0.0/0 (Default Route)の指定が可能です。
しかし、LAN側にDefault Routeの設定を行うと、MXのUplink (WAN1やWAN2)に設定されるDefault Routeとルート情報が重複します。 ルート情報が重複した場合は、ルーティングの優先制御の処理に関わるため、挙動を整理します。
Merakiの管理通信 (Meraki Management Traffic)は、MXのUplinkで常に通信を行います。
そのためUplinkに障害が起こっても、LAN側のDefault Routeに切り替えての通信は行われません。ユーザ データの通信 (User Data Traffic)は、UplinkとLAN側のStatic RouteでDefault Routeが重複すると、LAN側の方が優先されます。
また、LAN側のリンク障害やNexthopの障害検知などによりLAN側のStatic Routeが無効となると、Uplinkでの通信に切り替わります。
下記は、通常時と障害時での挙動のイメージ図となります。
補足情報となりますが、Meraki MXにはMPLS網をLAN側に接続する構成パターンがあります。 その際に、Static Routeの宛先: 0.0.0.0/0 をLAN側に向けていても、 Uplinkの障害時にMerakiの管理通信はMPLS網を経由して行われないため、MXの管理が行えなくなる点に留意が必要です。
本内容は、2021年11月頃にMeraki MX67W (Ver. MX 15.44)でコンセプトの検証をした上で、サポートに問い合わせて仕様の確認を行っております。