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MerakiのCo-Termination方式でライセンス期限が切れた場合の挙動の一例 (2019年当時)

2019年当時の情報となりますが、MerakiのCo-Termination方式でライセンス期限が切れた場合の挙動の一例を紹介します。

本記事は「Co-Termination方式で、ライセンスが切れ場合に実際にどのような挙動になるのか知りたい。」旨の問いを想定して、それに回答するための情報源として記載しております。
また、ドキュメント上には明確に記載のない情報と推察を含んでおります。

前提情報

まず前提情報ですが、Merakiのライセンス方式はCo-Termination方式が元々あり、後にPer-Device Licensing方式が追加されました。 Co-Termination方式ではOrganization全体でライセンスの終了期限が統一されます。そして、ライセンスの終了期限が迎えるとNetworkがShutdownするのが規定された動作となります。
本前提を踏まえた上で、「では実際の挙動はどうなっているのか?」に焦点を当てております。

documentation.meraki.com

実際の検証時の挙動

筆者は個人の検証環境で意図的にライセンスの期限を切らした状態にして、どのような事象になるかを確認しました。 厳密なニュアンスで強調しますが、ライセンス更新のための30日間の猶予期間 (Grace Period)も含めて切らした状態にしております。 また、更新用ライセンス自体は事前に購入しており、適用をせずにライセンス切れの状態まで待っておりました。

ライセンスの期限が切れると、端末からInternetへの接続はできるものの、LAN内の通信はできない状態となりました。

Merakiのライセンスが切れた場合の挙動 (2019年当時の構成)

また補足情報ですが、Internetへの接続時はSplash Pageが表示されるものの、Click here to continue のリンクを押下するとInternet上のWebサイトには接続が可能な状態になっており、ライセンス更新の手続きなどを行うための措置のように見受けられました。

Splash Page

下記のメッセージがSplash Pageに表示されていたので、猶予期間 (Grace Period)の更に先にあるコンプライアンス違反の扱いのフェーズになっていた可能性があります。

This network has been out of compliance since 2019-07-20 17:01 PDT.
This network will no longer provide network access on 2019-08-26 17:01 PDT.

コンプライアンスに関するメッセージとは別に、所定日を過ぎるとネットワークのアクセスが提供されなくなる旨の記述もあるため、更に一定時間が経過すると完全にネットワークが動作しなくなるフェーズがあるとも解釈が可能です。
一般的には猶予期間 (Grace Period)でライセンス更新までの時間は十分であるため、それ以上の粒度での確認までは筆者は行っておりません。

MerakiのCo-Term方式のライセンス期限切れのフェーズ (2019年当時での筆者の想定イメージ)

もし社内の稟議などでライセンス調達の時間がかかる場合であっても、ライセンス状況を把握した上で余裕をもって対応すべきであり、想定外の中の更に想定外のパターンまで考慮するのは観点がずれています。 システム管理者のライセンス管理が疎かになっているのであれば自組織の状況を改めるべきです。

ライセンスにまつわる仕様を詳しく調べて、仕様の盲点を探し出すような行動をしようとしているなら、労力を割くべきリソースが違うと言えます。

補足情報ですが、Co-Termination方式ではOrganizationでのライセンスの終了期限が統一されている都合で、最近になってライセンスの追加をしていたものがあったとしても、いったん終了期限を迎えてしまえば最近追加したライセンスの種別も無効になります。
そのため、筆者は急いで足りなくなった種別のライセンス購入を行う事態になりました。

注記

2019年当時の情報のため、今では実際の挙動や仕様が変わっている可能性があります。 また、本挙動はドキュメント上に明記されていないように見受けられるため動作の裏付けはない点に留意してください。

実際、筆者はライセンス期限切れ状態で、厳格な挙動確認までは行っておりません。 ライセンス期限切れとはサポートが切れているのと同等のため、ライセンス期限切れ状態の動作保証や確証を求めるのは一般的にありえないからです。

そもそも、クラウド管理型の製品でライセンス期限切れが起こった後の状態を想定するのは、システム運用の観点では後手に回る好ましくない手法になります。 基本的に、ライセンス期限切れが起きないように能動的な管理を行うべきです。
もしシステム管理者がライセンス更新漏れを起こしてしまうようなパターンを想定しているのであれば、もっと他に考えるべきものがあるはずです。
そしてルーズな管理状況や複雑なIT資産管理の状況であるならば、サブスクリプション型の製品を導入すること自体が適していない可能性すらあります。