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Meraki MXはUplink側に個別のStatic Routeを設定できない

目次

概要

Meraki MXはModeに関わらず、Uplink (WAN1, WAN2)側には個別のStatic Routeは設定できません。
MXのLocal Status Pageでは各Uplinkに対するGatewayのみを指定できます。 Uplinkが動的アドレスの設定の場合は、DHCPやPPPoEのIPCPでDefault Routeの情報を取得します。

Meraki MXはUplink側に個別のStatic Routeを設定できない

Meraki DashboardのStatic Routeの設定画面

Meraki DashboardではMXがRouted Modeの場合に、LAN側への個別のStatic Routeを設定できます。

Meraki DashboardのMX (Route Mode)のStatic Route設定

Local Status PageのUplinkの設定画面

参考情報として、MXのLocal Status PageのUplinkの設定に関わる箇所を掲載します。 2022年01月頃のMX67W (Version: MX 15.44)の情報です。 画面を確認すると分かりますが、Local Status Pageにも個別のStatic Routeの設定は存在しません。

Local Status PageのUplinkの設定 (1/2)

Local Status PageのUplinkの設定 (2/2)

補足: MPLS網のLAN側収容との関わり

補足情報となりますが、本仕様があるためInternet & MPLS網にMXが接続する構成では、MPLS網はMXのLAN側で収容するように設計します。 何故ならば、MPLS網にMXのUplink側で収容してしまうと、ロンゲストマッチによりInternet側のAuto VPN経由で学習する他拠点宛のサブネット(例: 192.168.12.0/24)が優先されて、MPLS網のUplink側のDefault Route (0.0.0.0/0)は使われなくなってしまいます。 Auto VPNはPeerの状態をTrackingしないため、常に他拠点へのAuto VPN経由のルートが広報され続ける状態となり、結果としてMPLS網に迂回できなくなります。

そのため、MXのLAN側にMPLS網を収容して、Auto VPN経由で学習するルートと同じサブネット単位でStatic Route Trackingを設定する必要があります。 Auto VPNとStatic Routeで同一ルートを学習している場合は、Route PriorityによりStatic Routeが優先されます。 そして、Static Route Trackingで障害検知を行ってMPLS網側のDownに伴い、Auto VPN側の経路を使われるように設計します。

MXのUplink側は個別のStatic Routeを設定できないためMPLS網はLAN側に収容

なお、MXでのMPLS網の収容に関しては、下記のドキュメントに記載があります。

Integrating an MPLS Connection on the MX LAN - Cisco Meraki
https://documentation.meraki.com/MX/Networks_and_Routing/Integrating_an_MPLS_Connection_on_the_MX_LAN

Route Priorityに関しては、下記のドキュメントに記載があります。

MX Routing Behavior - Cisco Meraki
https://documentation.meraki.com/MX/Networks_and_Routing/MX_Routing_Behavior#Route_Priority

このようにMXのルーティング周りの仕様は癖があるため、一般的なRouterのような扱い方をするとハマる可能性があります。