Cisco ACIでのMP-BGP Route Reflectorの設定

Cisco ACIのWeb UIからMP-BGP Route Reflectorの設定を行う方法を検証したので、情報を整理しながら書き残します。

設定の概要 (設定個所の整理)

MP-BGP Route Reflectorの設定は大きく分けると、下記の3つの設定より構成されます。

ACI Simulatorを用いて検証したため、実機 (通常のACI)と比較すると正確性に欠ける可能性がある点に留意してください。

MP-BGP Route Reflectorとして動作させるSpine SwitchのNode IDを指定する必要があるため、Fabric MembershipでNodeの登録を済ませた状態にしておきます。

ACI Simulatorを用いた検証環境の場合は、下記の記事を参考にしてコマンドでNodeを登録すると再現検証が楽になります。

myhomenwlab.hatenablog.com
Route Reflector Nodes の設定を行う際に、Spine SwitchのNode IDの情報が必要になるため、メニュー: Fabric > Inventory > Fabric Membership などで事前に確認しておいてください。

Spine SwitchのNode IDの確認

メニュー: Fabric > Fabric Policies > Pods > Policy Groups に移動して、ツールアイコンから Create Pod Policy Group ボタンを押下してPod Policy Groupを作成します。

Create Pod Policy Group の設定画面で下記の例のように設定します。

設定項目	設定値	備考
Name	default	任意の名称を指定します。
BGP Route Reflector Policy	default

その他に必要なPolicy設定がある場合は適宜チューニングしてください。

メニュー: Fabric > Fabric Policies > Profiles > Pod Profile default > default に移動します。 Fabric Policy Group の設定項目に、事前に作成済みのPod Policy Groupを指定して Submit ボタンを押下します。

Fabric タブ内の設定 - Pod ProfileへPod Policy Groupの紐付け

設定が完了したらSpine Switchの設定反映状況を確認しておきます。

Spine Switch上のCLIで grep asn /mit/sys/bgp/inst/summary コマンドを実行して asn の値が設定したAS番号になっているかを確認します。
```
admin@spine1:~> grep asn /mit/sys/bgp/inst/summary
asn          : 65000
admin@spine1:~>
```
注記: ACI Simulator 上での実行例であり、実機の挙動と異なるためプロンプトが # ではなく > になっています。

備忘録: ACI Simulator 環境でのSpine Switchへの接続は apic1# ssh Spine1 のようにしてAPICからSSH接続しました。
Spine Switch上のCLIで show processes | grep bgp コマンドを実行します。bgp プロセスのStateが S になっているのを確認します。もしStateが NR (Not Running) の場合は設定の反映に失敗しています。

下記の実行例は、Header行とStatus情報を含めるように grep コマンドの引数を調整しています。
```
spine1# show processes | grep -e '^PID ' -e '^State:' -e 'NR(not running)' -e 'bgp'
PID    State  PC        Start_cnt    TTY   Process
51989      S  f777c0f2            1     -  bgp
State: R(runnable), S(sleeping), Z(defunct)
     NR(not running), ER(terminated etc)
spine1#
```
注記: ACI Simulator ではコマンドを実行できなかったので、APIC Version: 6.0(2h)の実機でのサンプル出力を掲載しています。